被災地の姿

三月二十一日月曜日

 朝五時起きた。
昨日は日本財団キャンプサイトに潜り込めたので毛布をゲットして車中でも温かく眠れた。

財団の本部に物資がたくさんある。自衛隊のサイトにも、メイクザヘブン〔てんつくまん率いる支援グループ〕の本部にも。


今日からの私たちの仕事はそれを運ぶこと。どこに運ぶか?


それがものすごく難しい。今いちばん深刻なのは「避難所難民」避難所
には物があるけど、半壊した自宅などに住んでいる人は危機的状況。


これは市内だけ、牡鹿半島は部落で全て把握してるから、そういうことは起きない。

街では避難所の組織作りがうまくいかず、リーダーがいないところもあり、物資を近隣住民に分け与えたりできないのだ。
治安が悪化して、盗み、特に車のガソリンを抜き取る犯罪が多発している 避難民詐欺も起きていて、水一本五千円を請求されたりということがあったり、、、 街のニオイは日に日にきつくなるなんとなくピリピリしている


 今日は再び牡鹿半島に行って前回足りなかった物を届け、女川の調査に行った。

ひどいとは聞いていたけど、本当に、悲惨。

今まで見て来た町も言葉を失う光景だったけど、女川〔石巻市北東部に位置する集落〕はそれを大きく超える。

ここには、なんにも残っていない。

今までのところは「壊れた住宅から物を運びだす人」というのをよく見かけたが、ここにあるのは鉄とコンクリートの塊だけ、その前に呆然と立ち尽くす人達の姿があるだけだ。

呆然とした人と、ナチュラルハイになっている人がいる


ハイの人は地震の日のことを話し続けてとまらない。


心理的ケアも本当に必要だと思う。


 
 明日からは避難所難民を救うためのローラー作戦。市内をしらみつぶしに回りながら、「物資を配布しています」と叫び続けるという策。
みんな毎日頭をひねっているのでうまくいくかどうかわからない。
パニックを起こす可能性もある。


いちかばちかです。